二次創作ですがかなりオリジナルに近い設定になっています。ご注意下さい。



攻略本、108星キャラガイド、まるごと幻水ブックをお持ちの方なら一瞬名前を見たことがあるかもしれません。少なくとも、ゲームではストーリー中の台詞はおろか、古い本にも名前が出てきません。多分ゴドウィン卿の奥方の方が名前の通りがいいと思います。
彼の名は、ヒラム・バロウズ。女王家の内乱の際暗殺されたバロウズ家の長男です。

何で彼が出てくるのか、というのは王子の設定の成り立ちが原因です。
完全に私的な発想ですが、継承権争いの真っ只中、外国人の父親を持ち、ゲーム中の台詞を聞くからにはロクでもなさそうなファルズラーム前陛下の孫で、王子に王位継承権のないファレナという環境で、王子がまともに育つわけないだろう、というのが根本です。
如何に両親が立派でも歪む要素には困らない、ある意味最悪の環境ではないですか。貴族(一部例外あり)はわかりきっているから省くとしても、侍女・女官・衛兵全員が「王子」の味方であるとは限らないでしょうし。
何より先も言った通り継承権争いの真っ只中、彼らの中でも派閥が出来ていたところでおかしくも何ともありません。見ようによっては邪魔とは言う存在には値しないとしても、目障りであることに変わりはないはず。フェリドの闘神祭の優勝と共に次期女王という結果を先送りにされたわけですから、ファルズラーム派(仮)とすれば不愉快で仕方ないでしょう。特に、おそらく当人が。
加えて、リムスレーアの存在。人によって王子とリムの年齢差にはバラつきがあるでしょうが、大体の外見年齢から察するに4〜6歳の時に彼女は産まれています。これくらいなら多少なりとも周囲の変化くらい察することが出来るはず。継承権のある姫ですから、激変と言ってもいいくらいの環境の変化があったのではないでしょうか。無論更に悪い方向に。
普通の子供でも弟妹が産まれると赤ん坊返りしたりするんです。上手く両親が構ってやっても歪むでしょう、この環境は。
さすがにこれだと救いがない、何よりゲーム中でリム助けに立ち上がらない、というわけで、誰か親身になって構ってやってくれる人を置こう、と思ったわけです。ハスワール様も構ってくれそうですが、シャスレワールの娘である以上限界はあるでしょうし、叔母上では年齢、ギゼルとの婚約等で帳尻を合わせにくいので。そこで目についたのが、彼。

電撃の攻略本を持っている方は知っているでしょうが、キャラ紹介のカイルのページでキングが「カイルはヒラム・バロウズと面影が似ていたのでは」と発言されているんです。加えてサルムとユーラム、ルセリナの年齢差。ユーラムが産まれた段階でサルムは既に40代。マルスカールの場合も30代なので言い切ることは出来ませんが、あまりに遅い。これで上にいた長女とヒラムが彼らと歳が近かったとは非常に考えにくいです。
この辺りから考えて、ゲーム中24歳のカイルに面影を感じられるくらいの年齢だったのではないかと思われます。あのサルムが面影を覚えている、ということは、優秀であったかユーラムばりの馬鹿息子かのどちらかでしょう。おそらくアルシュタート陛下の闘神祭でバロウズの候補として立ったのは彼ではないでしょうか。


ここまでならただの分析で終わりますが、それだけのためにわざわざページ作ったりしません。
ここからは完全に私個人が組んだ設定です。公式要素は名前と死亡時期しかありませんので誤解のないようお願いします。

年齢は陛下と同じか一つ下。外見は「カイルに面影」が正しいんでしょうが、いっそ「カイルに瓜二つ」で。無論声も一緒。一応髪だけは短くしています。(前にうっかり絵描いてみたらギゼルにしか見えなかった……)
性格に関してはここまでカイルと一緒にしたくはなかったので、堅物。多少は柔軟な思考があるでしょうが、「必要とあらば近所の悪ガキにも平気で手を上げて叱る人」という感じにしています。その悪ガキには王子や叔母上も含まれたりします。さすがに手を上げたりはしませんがばっちり叱る。性格上サルムとは究極なまでに仲が悪そうです。親子ですが。
アル陛下の闘神祭に出たのは最早間違いないでしょうが、代理立てずに自力で挑んでます。しかもフェリドの決勝の対戦相手。
他のキャラとモーションを一緒にしていたせいでしょうが、ユーラム君も構えだけはそれなりに出来てたんですよね。ついでにギゼルは自力でも勝ち抜けるだけの実力があった。(ストームフィストの人の話参照)だったらそれくらい強い貴族の御曹司がいてもいいだろう、というのが原因です。ここで実力をフェリドと五分に持ってきてしまうあたり贔屓が入っているでしょうが。
結果は無論ゲーム中の通りですが、これがきっかけで親しく。拳で語り合って芽生える友情は男の浪漫です。
もっとも、ヒラム本人はこの前から太陽宮に出入りはしていると思います。バロウズの御曹司ですから。伺候するようになってから叔母上とは強制的にお友達です。一方的に狙いをつけられた感じで。
立場や権力のこともあるでしょうが、アル陛下の闘神祭はあくまで純粋な気持ちで出てもらっています。フェリドもそうでしょうが、ゲーム中のリムの闘神祭は誰もそんなもの持ち合わせていなかったので悲しかったので。リムの年齢的に無理でしょうが、せめて一人くらい心の底から好きな人が出てくれていたら嬉しいと思うのですよ。姫は結婚相手選べませんから。
というわけで、アル陛下を本気で想う純真なヒラムが出来ました。実際フェリドに負けましたがその想いは変わらず。短い生涯ですが未婚のままです。
まあヒラムの子供がいたら多少なりともゲーム中に絡んできそうですからね。その辺りのこともありますが、一途でいてほしいという理想もしっかり絡んでます。

普通貴族、それも大貴族の子息が家庭教師などやることはありませんが、彼と王子の関係はそんなものです。実力も折り紙つきなので、武芸も教えていたのではないかと考えています。雷鳴の紋章は彼が王子に渡したものです。さすがに3、4歳の幼児に渡すのはすこぶる危険なので、暗殺の直前くらいにそれなりの知識を与えた上で渡したんでしょう。一時期彼までもが雷使いになっていました。
両親が構ってやれない(多忙にしている時は王子の方が近づかない)中、ある意味一番身近で一番親身な人だったのではないか、としています。それ故に亡くなった時の影響が非常に大きかったのでしょう。これは王子に限らないとは思いますが。
ちなみに幽世の門の暗殺者を結構な人数道連れにしてます。この辺りを考えるともしかしてフェリドよりも強いような……。


とりあえずヒラムの設定自体はこんなものかと思います。私が生き返りネタ嫌いなのでifネタか過去ネタ以外は存在が軽く語られる程度です。ただし王子にプラスマイナス共に多大な影響を与えたのがこの人なので、王子、そしてそれを踏まえての私の5の文章には根底に彼がいます。



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